ソニーが発表した「FE 8-14mm F3.5 Fisheye G」は、8mmから14mmまでをカバーする魚眼ズームで、面白いのは、8mmと14mmの両方に「180度」という画角が出てくること。

焦点距離だけを見れば、8mmのほうが14mmより広く写るはずなのに、8mmでは円形の像になり、14mmでは写真の四隅まで魚眼像が広がります。
8mmの180度は「円形」の180度

8mmでは、フルサイズセンサー上に円形の像を投影する「円周魚眼」になり、ソニーは、この状態を180度の画角と説明していて、撮影した写真を見ると、長方形の写真の中に大きな円が現れ、円の外側には像がありません。
これは、180度の視野を円形の像としてセンサーに投影しているからのようで、魚眼レンズでは、一般的な広角レンズとは違い、広い範囲から入ってきた光を大きく湾曲させてセンサーへ写します。
8mmではその結果としてできる円形の像が、フルサイズセンサーの長方形の範囲に収まる形になり、この「180度」という数字だけを見ると、写真の横幅が180度あるようにも感じますが、8mmで写っているのは長方形いっぱいの180度ではなく、円形の像の中に、広い視野が収められることになります。
14mmになると、180度の基準が変わる

14mmでは「対角線魚眼」になり、ソニーの説明では、画面全体を使い、対角方向で180度を実現します。
写真は円形ではなく、通常の長方形の画面いっぱいに魚眼像が広がり、四隅までしっかりと使われていて、ここでの180度は、写真の横方向を測った数字ではなく、画面の対角線方向に180度という意味。
そのため、8mmと14mmの「180度」は、同じ数字でも測っている方向が違うわけですね。
円周魚眼では円形の像そのものが広い視野を収め、対角線魚眼では長方形のセンサーを使って、その対角線上に180度を収めます。
写真の形を決めるのは、焦点距離だけではない
レンズが作る像は、センサーより広い円形の範囲を持っています。この範囲が「イメージサークル」で、8mmでは、フルサイズセンサーに対して円形の像が現れ、14mmでは、センサーの長方形がイメージサークルの中に収まるような関係になり、画面の四隅まで像を記録することができます。
そのため、8mmから14mmへの変化は「広角から少し狭い広角になる」というだけではなく、センサーに対してどのような形で魚眼像を収めるかが変わってきます。
魚眼レンズの「180度」は、このイメージサークルとセンサーの関係まで含めて見ると理解しやすくなりますね。
8〜14mmの途中にも魚眼表現がある
このレンズ、単に8mmと14mmだけを切り替えるものではないようで、ソニーは中間位置について、APS-Cセンサー使用時の対角線魚眼として使える位置も用意しており、ズームリングを動かすことで、単純に「円形の写真から狭い写真へ」と変わるわけでもなく、焦点距離と撮像センサーの組み合わせによって、魚眼像の使われ方も変化していくようですね。
一方、8mmから14mmまでの各焦点距離で、円形の像がどの位置からどのように画面外へ広がっていくのかについては、ソニーが公開している資料では詳しい数値までは示されていませんので、使ってからのお楽しみというところでしょうか?


